みやのひとりごと

すきなことをまったりと。

#23 ラブライバーの視点で語るウマ娘の話

ただいま話題沸騰中のウマ娘

CMでもよく見かけるようになり、アプリはリリース1周年を迎えてまさにトレンドの先頭を駆け抜けているコンテンツのひとつだと思います。

 

そんな自分もウマ娘の魅力にハマった1人なのですが、この作品の魅力って何だと思いますか?

 

個性的なキャラクター

アプリが面白いから

名馬たちの擬人化

 

 

たぶん、これら以外にも色々あると思いますが自分が最初に感じたのは「なんかラブライブ!に近い匂いがするな」と思ったことが始まりでした

 

うわ~でたでた

なんでもかんでもすぐ「実質ラブライブ!」かよ草

 

って思う人もいるかと思います。

たしかに別のコンテンツと比べたり一緒にするのも、すべてが正解だとは思いません

 

でも本音をいうと、そう感じた人ってきっと他にもいると思うんですよね

ウマ娘のこと知らないけどラブライブ!は好きって人が、試しにこの作品に触れてみたら「おもしろいやん!」って思う人、けっこう居そうだな~って実はずっと前から思っていました。

 

なので今回はそういう人が増えたらいいなと、ささやかな祈りをこめてラブライバーの視点でウマ娘を語る面白さとは? そんなお話をします。

 

 

第1R ウマ娘ってどんな作品?

 

超簡単に説明します

ウマ娘は実際に活躍した競走馬が女の子に擬人化した作品です。

主なメディア展開としてはTVアニメ放送とアプリ、書籍でしょうか

 

自分も始まりはアニメからでした。

1期は本当に簡単に言うと「ウマ娘ってこういう作品ですよ」のイントロダクションと、競馬ファンが夢見ていたifストーリーと言えると思います

 

中央へとやってきた主人公のスペシャルウィークを中心にウマ娘の本質とも言える「真剣勝負の世界で勝利を手にする」という部分を、栄光と挫折、仲間との絆を交えて王道スポコン展開で話は進みます。

そしてifストーリーというのは秋の天皇賞で悲しい最期となった名馬サイレンススズカを象徴として、おそらく多くの競馬ファンが見たかったと願っていたことをアニメ作品というフィクションの世界だからこそ描ける「夢の続き」として上手く描いています。

 

最終話の出走レースのメンツなんて、まさに子どもが友だちと自分の好きなヒーローが1番強い!みたいな言い合いをしていた頃を思い出させるような、誰しもが一度は夢見ていた光景といて描かれていたりもして、制作陣の愛を感じました

競馬のこと全然知らなかった自分でもそう感じ取れたのが、その証拠なんでしょうね

 

続いて2期の方は、より競馬そのものの魅力とドラマを伝えることに重きを置いた物語だと思ってます。

何かと話題に挙がるのもだいたい2期の方ですよね。内容は1期に比べると重いですが完全にこの作品の良さに溺れたのは2期でした。

 

フォーカスが当てられたのはトウカイテイオー

夢の三冠まであと一歩だったのに怪我による初めての大きな挫折。テイオーは夢を叶えられませんでした

でも、夢を叶えられなかったからこそ生まれた新しい夢。その後何度も挫折を経験しながらも仲間に支えられ、テイオーの走りを見て自分も負けられない、勝ちたいと強く願ってたライバルたちが今度は自分の走りでテイオーにもう一度走る勇気を与える展開、そして諦めなければ奇跡を起こすことはできるということと、控えめに言ってめちゃくちゃ熱い内容です。10話とかぐっちゃぐちゃに泣いた。

こんなにワンワン泣いたのはラブライブ!以来でした

 

と、これがTVアニメの簡単な説明ですけど2期の内容とかどうでしょう。

どこかラブライブ…とりわけサンシャイン!!で似たようなところなかったですか?

 

スクールアイドルとレース、

対象は違えど描かれている事の根本にある部分は近しいものだと感じました。

 

夢や目標を持って努力するのは本当に素晴らしいことではありますが、それとは裏腹に現実は大きな壁となって立ちはだかります。

それでも何度諦めそうになっても仲間と共に支え合い、ライバルと競い合い、ラブライブ!ではスクールアイドルとしての限られた時間の中で、ウマ娘ではレースという今この瞬間に全てを懸けて夢を掴もうとすること。その点ではどちらも同じ熱量で描かれています

 

これがスポ根の王道なんでしょうけど、それにプラスして付加価値になっている部分としてめちゃくちゃ良いなと思ったところがあって、それは製作陣の「愛」だと思っています。そして最初に問いかけたこの作品の魅力とは何か。自分の答えがこれです

 

 

第2R 聖地と史実、それぞれの愛のかたち

じゃあ、この愛っていうのはどこにあるのか

これも色々とあるんですけど、このふたつの作品の中で共通している部分として自分はラブライブ!では「聖地」という要素、ウマ娘では「史実」という要素に現れているなーと思ってます。

 

ラブライブ!における「聖地」といえば秋葉原、沼津、お台場に原宿…

どの場所も本当に魅力に溢れている素敵な場所ですよね。

 

そこで育ち、そこでいろんな景色と人に出会ったからこそ街のために、大好きな学校のために精一杯輝こうとするのがスクールアイドルであり、ラブライブ!のひとつの大きな魅力です

聖地っていう実際にそこに“ある”場所を描いて、作品と通じてその場所の魅力や良さを受け手に伝えようとすることは、制作陣の中で明確な作品で伝えたい魅力があるからだと思います。

サンシャイン!!ではシリーズの中でも特にこの聖地色が強く、実際に自分もそこに足を運ぶことで作品の息吹を感じたし、街の魅力に気づくことができました

その街の方々とも親しくなれて、いまでは自分にとっての大きな財産です。

 

ウマ娘の方はどうでしょうか。

この作品では、実際のレース場は聖地といえば聖地ですが、こちらでは「史実」が作品の面白さを引き出す大きな要素であることは間違いないです

 

史実、つまり実際にあったレースや競走馬の活躍がウマ娘のあらゆるところに描かれています。

コアな競馬ファンにしかわからないような小ネタから、大がかりな史実を元に構成されたストーリーと多岐に渡っていて紹介しきれないくらい多いです

 

先ほどのTVアニメ2期のあらすじもほぼ史実通りです。

あんまり事細かく紹介するとウマ娘見たことない人がこれ読んだらアニメ観なくていいやんってなるので割愛しますけどね(ほんとは話したい)

 

アプリの方では小ネタがかなり盛り込まれていて面白いですよ

例えば新育成シナリオでのイベントのひとつでエイシンフラッシュダイワスカーレットが雨の中、相合傘しながら後輩ウマ娘の選抜レースを応援しに行くというのがありますけど、この2頭の子どもに「アンブレラデート」って名前の競走馬がいたりします。細かいね

 

エイシンフラッシュつながりの話ですが、このキャラのGⅠレース勝利時のポーズに膝をついて礼をするんですけど、これは天皇両陛下がご覧になられた天覧競馬のレースとなった天皇賞・秋で、エイシンフラッシュに騎乗したM.デムーロ騎手が優勝した際にとった最敬礼が元ネタになっています

競走馬だけじゃなくて当時騎乗してた騎手つながりのネタもこうやって盛り込むところ、控えめに言って好きです。エイシンフラッシュも好きです。かわいいよね

 

つまり言いたいのは、こういう史実ネタが至るところに盛り込まれているのは制作陣の競馬に対する愛であったりリスペクトがあるからだと思ってて、

それが「こうやったらウケるだろう」っていう商業的な策略だけでやってるわけではなくて純粋に好きなんだなと思わせる丁寧さがにじみ出ているところが好印象です

 

競馬のことを全く知らない人間でも、後になって色々と調べてみたら実際にあったことなんだ!って知れるところもウマ娘の魅力です。

きかっかけは何であろうと作品に触れることで新しい興味とかそれまで知らなかった世界が見えてくる瞬間というのはいつになっても面白いものです。

 

そういう制作陣の描きたいと思ったものに心を打たれるということは、知ってほしい、伝えたいと思う確かな愛があるからだと思いますし、それの描き方が違うだけでこのふたつの作品のどちらにも当てはまるものだと思います。

 

 

第3R 競馬にはドラマがある

 

「競馬にはドラマがある」とどこかで聞いたことがあります

まず、ウマ娘がきっかけで競馬に興味を持ち始めたという人もいると思います。

いまでは毎週末になるとレースや競走馬の名前がトレンドに食い込むくらい競馬を見る人は爆増したと思います

 

まぁ自分もウマ娘がきっかけで競馬を見るようになった一人なんですけど、この作品に出会うまで自分にとって競馬は言い方が悪いですけど、所詮はギャンブルでしょ?と思ってました。

失礼な話ですが通天閣にいる歯抜けのジジイみたいな人が新聞片手に怒号が飛び交っているような、そんなイメージでした。

 

でも、ウマ娘のアニメを見て、実際の競馬も見てみようかなーと思ってYouTubeで過去のレース動画とかを見てみたら、それは自分が勝手に抱いていたイメージとは全く違うものでした

 

トウカイテイオーの奇跡の復活となった有馬記念

マヤノトップガンナリタブライアンが壮絶なデッドヒートを繰り広げた阪神大賞典

17年ぶりのGⅠ制覇、オペラオーが背中を押してくれたと語る和田騎手

 

最近だと、昨年のジャパンカップで有終の美を飾ったコントレイルなどもありましたね。

 

名レースから思わず心を揺さぶられる実況に騎手とオーナー、馬との絆。

実際に競馬の世界に触れてみたらこれまでのイメージとは真逆のものでした

気付いたら毎週のようにレースを見るようになり、実際に競馬場にも足を運んだりもしました。

 

ギャンブルのひとつであることに変わりはないですけど、競馬にはドラマがあると言われている理由が実際に触れてみて初めてわかったとき、競馬ってこんなにも面白かったのか!と純粋に思いました

 

そのとき頭によぎったのは、酒井監督の言っていたように「自分が変われば世界は変わる」という言葉です

対象は違えど、これまで自分の知らなかった世界に飛び込んでみたら価値観が一気に変わるということを別の作品で感じることができたのはウマ娘のおかげです

 

それはきっとウマ娘の制作陣が競馬という世界で感じた感動をこの作品を通じで伝えたかったことのひとつだと思ってます

 

それはまさしく、ひとつの愛のかたちなんじゃないでしょうか

自分の周りでもウマ娘がきかっけで競馬に興味をもった人がたくさんいます。

 

自分もその感動に心を突き動かされた一人として、この感動を誰かに伝えたいと思ったのがこの記事を書いた理由のひとつです

もしかしたら商業的な意味合いであったとしても、ウマ娘がくれたこの価値観に惹かれる気づきになったのは自分にとって間違いなくラブライブ!に出会ったからだと思ってます

 

これは決して競馬、ないしギャンブルを推奨する記事ではありませんけど常に人の心を動かすのは“感動”なのだということは間違っていないのかな、なんて思ってたりします

 

ウマ娘がここまで爆発的な人気になったのは、ただ単にアプリが面白いからとか話題性があったからだけじゃなくて丁寧に魅力をコンテンツで表現できているらだと思います

 

リリースされて1年を迎えた今、これからもこの作品を通じて競馬の面白さを繋ぐ存在であってほしいと、いちファンとして願っています

 

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